イナゴを揚げた。いよいよ、食べる。
食べるのは率直に言って気が楽である。私にとって気が重かったのは、イナゴの命を奪うことであったようだ。それが終わった今は、最も重い重責を果たし終わったという感慨があった。
ううむ。どうだろうか。本で読んだ通り、エビの味によく似ている。私が30年前によく食べていたコバネイナゴの味にも近い。
しかし、やや期待はずれであった。むしくいノートと
食べられる虫ハンドブックでは、このトノサマバッタの味が絶賛されていた。しかし、私にとってはそこまで美味しいものとも思えなかった。いや、もちろん不味くはない。嫌な味は全くない。不味いか旨いかと聞かれたら、旨い方の領域だ。しかし、絶賛するほどの強い味もない感じがした。あれば食べる。そこにいれば、私は次のイナゴ採りでも採るだろう。でもこのトノサマバッタ目当てのバッタ採りはしない気がした。
次はイナゴだ。これはたぶんハネナガイナゴだ。トノサマバッタと比べると格段に小さい。
食べると、旨かった。どう考えても、トノサマバッタよりもこのイナゴの方が旨い。なぜ上記2書籍ではトノサマバッタが推されているのか、私にはわからない。その思いを再確認する結果となった。イナゴは旨い。
イナゴを食った断面はこんな感じだ。胴体は空洞になっている。生きている間はどうなっているか知らないが、加熱調理して水分が抜けると、イナゴの胴体は空洞になるのだ。これがサクサク感を出す。良い食感を生む。
息子もどんどん食べていた。キモいと言いつつも旨いらしい。エビのしっぽの味だねと言っていた。そうだ。その味だ。
次はオンブバッタだ。揚げたらだいぶ色が抜け、緑色だったのが透明感のあるボディになった。
食べると・・・なんだこれは!!
旨い!!!!
なんだこれは。旨いではないか。いつも食えないバッタだと思って何千回とスルーしてきたのに、このバッタは旨いではないか!!!!
オンブバッタの味はトノサマバッタやイナゴとはまたちょっと違っていた。草の良い香りがした。ああそうだ、お茶の香りだ。緑茶の香り。基本的には甲殻類のエビの味ではあるのだが、そのあと爽やかな緑茶の香りがした。口に入れた直後はエビの味がして、噛むとその瞬間に緑茶の香りが口の中に広がる。なんだこれは。初めての味だ。これは旨い。
オンブバッタは3匹しか捕まえていなかった。その3匹を全て私が食べた。息子には勧めなかった。この旨さを息子に体験させるのを忘れ、食べてしまった。それくらい旨かった。
食べていると、息子が、友達にも食べさせたいと言ってきた。なので、タッパーに取り分けて、残りを食べた。今日は息子は習っているプールに行く日なので、プール仲間に食べさせるのだと思う。
感想としては、トノサマバッタは、私の中ではちょっと評価が低い。やはりイナゴが旨い。そして、そのイナゴよりもオンブバッタの方が旨い。もしかしたら、食べ続けていたらオンブバッタの評価はまた変わってくるかもしれない。でも、今日はオンブバッタの旨さが群を抜いていた。
非常に満足感のある食事だった。素晴らしい体験だった。またやる価値はある。
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