このページでは、イナゴの味を言葉で説明する。

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このサイトを作って公表してから、いくつか質問をもらった。その中で最も印象的なものが、「イナゴってどんな味なの?」である。

コバネイナゴ

私にとっては、この質問は少し面食らうものだった。そうか、普通の人はイナゴの味を知らないのか。私の実家では、イナゴは毎日のように食卓に出ていた。だから、イナゴの味は私の中では常識だった。イナゴの味というのは、コメの味と同じレベルでの常識のように思っていた。

しかし、普通の人はイナゴなど食べたことがないのだ。イナゴを食べたことがないなら、その味を知らないのも当然だ。少し考えればわかることだが、それを私は考えたことがなかった。40年近くも。

味を知るには食うのが一番だ。イナゴの佃煮は簡単に買える。Amazonで売っているのでいつでも手に入る。1000円あればお釣りが来る。
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しかし、佃煮になっているので、どうしても佃煮の味が勝ってしまう。イナゴの佃煮の味を説明するなら、それは佃煮の味である。誰でも、小魚の佃煮なんかは食ったことがあるだろう。イナゴの佃煮も、それと同じような味である。結局は醤油と砂糖の味が大部分を占める。

なので、イナゴ自体の味を知っている人というのは、現代社会ではかなり限られた存在なのかもしれない。

私はイナゴ自体の味を知っている。イナゴを揚げたのページでは、祖母がイナゴの佃煮を作っていたことを書いた。しかし私の家では、採ってきたイナゴは全てを佃煮にしていたわけではなかった。佃煮にしたのは、たぶん半分くらいだ。そして残りの半分は、煎ったものをすりばちですりつぶして粉にして瓶に入れて保存していた。そしてゴハンにかけて食べていた。私はイナゴが大好きだったので、その粉をそのまんま食ったりもしていたように記憶している。

私の祖母はその粉を「カルシウム」と呼んでいた。イナゴはカルシウムを多く含んでいるのだ。だからカルシウムと呼んでいたらしかった。さっき書いた瓶には、祖母がマジックで「カルシウム」と書いた紙を貼っていた。

私はカルシウムというのはそのイナゴの粉のことだとしか思っていなかった。カルシウムというのは元素の名前なのだと知ったのは、小学校の高学年になった頃だった。「カルシウムおいしいよね」と言ったら話が通じなかったのだ。とてもびっくりした。

すこし脱線してしまった。ではイナゴの味を説明しよう。

かっぱえびせんの味

たぶん、大多数の日本人が食べたことがあって、しかも味が近いものを選ぶと、かっぱえびせんになるだろう。あの、誰でも食べたことのあるかっぱえびせんだ。これだ。
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もちろん、イナゴを素焼きにしたものは、かっぱえびせんほど旨くはない。もっと素朴な味だ。かっぱえびせんから、塩分を全て排除した味をイメージして欲しい。それが、イナゴの味に近い。

エビのしっぽの味

別の説明をしてみると、イナゴはエビのしっぽの味だ。これは、私の息子がイナゴを食べた時に言った表現だ。言われてみてその通りだと思った。エビのしっぽの味だ。

エビフライの、エビのしっぽは残す人も多いと思うが、機会があったらそれを食ってみて欲しい。それが、イナゴの味に近い。

エビの殻の味

最後に、私の表現を聞いて欲しい。私が最初に息子にイナゴの味を聞かれた時に答えたのがこれだ。エビの殻の味だ。

さっきエビのしっぽの味と書いたが、エビのしっぽと言っても、人によってイメージする味のブレはかなり大きいような気がする。エビのしっぽと言われて、エビのしっぽの殻の中の肉の味を思い浮かべる人もいれば、しっぽの先っちょの3本に分かれた部分の味を思い浮かべる人もいるだろう。その意味では、イナゴの味は、エビのしっぽの先っちょの味である。エビのしっぽの先っちょというのは、肉がほぼなくて殻だけだ。つまりは、イナゴはエビの殻の味なのだ。

しかし、エビの殻と言われても、エビの殻自体は水分に溶けこんだりしないので、味を感じづらいはずだ。イメージしづらいと感じる人がほとんどだと思う。しかし、あの殻の味なのだ。頑張ってイメージして欲しい。例えば、エビの殻を粉砕して粉にしたもののような味だ。いや、私もエビの殻を粉砕したものは食べたことがない。食べたことはないが、たぶんそれをイメージすると近い。

それだとイメージしづらいだろうか。ならば、こういうのはどうだろう。エビの肉を食ったあと残った殻を、絶妙な弱火で半日くらいじっくりと焼き上げ、カリカリにしたものの味をイメージしてほしい。それも私は食べたことはないが、たぶん近い。

頑張って書いてみた。どうだろうか。イメージ出来ただろうか。

しかし、何も味付けをしていない素のイナゴは、今のところ通販では売っていないようだ。残念だが。

色々検索してみると、東京都新宿区の新大久保にはイナゴ料理を出す店が存在するようだ。そして、その料理店向けに業務用食材として、何も味付けをしていない素のイナゴを売る店はあるようだ。探してみてもいいかもしれない。ただ、行っても見つけられる保証はないし、売っていたとしても、あくまで料理店向けで、素人には売らないという可能性もかなり高い。それなら、自分で江戸川に採りに行く方が早い気もする。

こう書いてみると、現代ではイナゴの味は遠い存在になってしまったのだなと実感する。まあ、それも時代か。

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