前回イナゴを食べた時は、揚げただけでそのまま食べた。それでもいいのだが、私はイナゴへの思い入れが強い。私が子供だった頃の流儀に従って調理したい。私の実家の流儀では、イナゴの翅と脚は取り除いていた。今回はそれをやる。
私の思い出の中で、イナゴの翅と脚を取り除くのは私の役割だった。長い間食卓にのぼるイナゴ。そのイナゴのいらない部分を取り除く。それは、子供の頃の私にとって、責任感を感じる任務だった。私が処理したイナゴが食卓に並べられ、家族が食べる。私は、そこに少しの充実感を感じていた。私がした仕事が、家族の役に立っている。それを誇らしく感じた。仕事をして人の役に立つことの喜びを感じるのは人生のなかでとても重要だろう。私にとって、その原点はイナゴの処理だった。
そのイナゴの処理は、是非とも息子とやりたかった。息子に声をかけると、興味深そうにうなずいた。
イナゴの翅はとても薄い。この翅と比べると、イナゴの胴体はかなり大きく感じる。この翅でこの体を浮き上がらせられるものなのか。少し感心した。
こんな感じに、フライパンからイナゴを取り、脚と翅を取って、イナゴの胴体を皿に入れた。
さあ、食べよう。
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