イナゴ採り会を開催した。

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野口農園さんに会場使用のOKを頂いたあと、私がまずやったのは、のぼり旗の発注だ。

先週、「ブロガーズフェスティバル2016」が開催されていた。気になったが、私は行かなかった。活躍している方々がまぶしすぎて、近づく気になれなかったのだ。

でもやっぱり気になる。後から、イベントに参加した方々のイベントレポートをぼんやりと眺めていた。そのイベントレポートの中に、「むねさだブログ」さんの記事があった。彼は、自分のブログののぼり旗を作っていったのだ。

これを私も作ろう、と思った。

完全にマネっこで、少々恥ずかしい気持ちがあった。一応、実用的な側面もあるにはある。でかい旗を待ち合わせ場所に立てておけば、イベントに来た人が道に迷わずに済む。

しかし本音を言えば、実用面よりも、イナゴに対してできることは全てやっておきたいという衝動に駆られて作ろうと思ったのだ。情熱のぶつけ先を探すように、旗を発注した。

作った旗はこれだ。やるべきことを一つやったという小さな達成感があった。
イナゴの旗

当日朝起きると、雨。Yahooの天気予報を見ると、イベント開催の時間帯も雨の予報だった。降水量は1mm。小雨決行だ。

雨ということで当日キャンセルの参加者が何人か出た。仕方がない。一般参加者は、橋本英樹さんお一人になった。橋本さんと、主催者である私と、カメラマンのJさんの3人で小ぢんまりと開催した。

野口農園さんの入り口に、私のイナゴ旗を立てさせて頂いた。
野口農園さんの旗とイナゴ旗

橋本さんとJさんは時間通り、午前11時少し前に到着。3人だけになっちゃったけど始めますか~、と言って、イナゴ採り開始。

イナゴ採りの会場は、野口農園さんの小さな田んぼだ。その田んぼはこちら。
野口農園さんの田んぼ

雑草が多い。これは、野口農園さんが減農薬で米作をしている証だ。国の「特別栽培農産物に係る表示ガイドライン」に沿った形で栽培されており、農薬・化学肥料を、ともに通常の半分以下に減らしている。そのため、雑草が多いのだ。しかし稲穂はしっかりと結実していた。きっと、努力の結晶なのだろう。
たわわな稲穂

今回、野口農園さんは我々に田んぼの中に入ってイナゴ採りしてもいいと言ってくれた。ありがたい。普通は許されないことだ。幸せなことだ。

田んぼに入ってイナゴを探す、橋本さんと私。
イナゴ採りをする橋本さんと私

すぐ一匹目を捕まえた。カメラマンのJさんが私を撮ってくれた。写真を撮られ慣れていないので表情が硬いが、心の中はサイコーにハッピーであった。
イナゴを採った私

観念したイナゴ。
観念したイナゴ

イナゴを、手製のイナゴ袋に入れる。ペットボトルと洗濯ネットで作ったものだ。イナゴは後ろに進めないので、頭をペットボトルの口に突っ込んで手を離せば、自分で袋に入ってくれる。
イナゴをイナゴ袋に入れる

私:「どれくらい採れました?」

橋本さん:「え~と、10匹くらいですかねえ」

私:(あ・・・、僕の方が少ない・・・)
橋本さんと話す私

主催者としてのプライドがある。負けたくない。イナゴのエキスパートとして認められたい。イナゴ採りに集中する。
イナゴ採り

葉っぱの裏に隠れていたイナゴ。
イナゴ

田んぼの中には様々な生き物がいた。カエルに、
野口農園さんのカエル

茶色いバッタ。
茶色いバッタ

トンボもいた。
野口農園さんのトンボ

1時間ほどイナゴ採りをした。雨露に濡れた稲と雑草をかき分けて歩くのは、意外と体力を消耗する。もうそろそろ食べましょうか、と橋本さんに声をかけた。

捕まえられたイナゴたち。私たちはこれからお前たちを食べる。
イナゴ

野口農園さんは、調理する場所も提供してくれていた。このビニールハウスの中だ。
野口農園さんのビニールハウス

まずは、イナゴを洗う。水ですすぐだけだ。
イナゴを洗った

そして、コンロに火をつける。今回は、イナゴを素揚げにして食べる。
コンロに火をつける

深さ1cmほどの油を注ぎ、十分に熱する。いよいよだ。

イナゴは、イナゴ袋から出すと跳ねて逃げようとする。少し指に力を込めてつまむ。そして、指をゆるめると、やはり跳ねて逃げようとする。だから、鍋の油に叩きつけるように入れていった。
イナゴを揚げる

揚がったイナゴ。
揚がったイナゴ

動画で見たい方はこちらをどうぞ。

どんどん揚げていくと、すぐに揚げイナゴの山ができた。
揚げイナゴの山

揚げ終わり、いよいよイナゴを食べる。皿に1匹乗せた。
皿に乗せられたイナゴ

塩を振る。普通の食卓塩である。
イナゴに塩を振る

そして、食べた。
イナゴを食べる

おいしい。イナゴは、基本的には小エビの味である。エビの素揚げの味だ。私にとっては慣れた味である。去年も存分に楽しんだ、あの味だ。表面の殻はサクっとしていて、中の肉もエビそのままだ。

エビとの違いを挙げるとすれば、それは殻と肉との比率が違うことだろう。我々が日常の中で食べるエビは、肉の部分が多い。しかし、イナゴは見た通り小さく、肉が少ない。つまり殻の比率が多いので、エビよりも味のパンチは弱い。

私には、それがとても素朴な味として感じられる。イナゴは、確かに食材としてはエビに劣るだろう。しかし、昔の日本人はこのイナゴを貴重な食材として食べていたのだ、ということを思うと、そこに物語を感じる。昔の人はこれを食べて生き抜いてきたのだ。イナゴを食べる時、楽しむのは味だけではない。その向こうに歴史があるのだ。

野口農園さんは、なんと我々にコメも提供してくれていた。鍋でゴハンを炊いた。至れり尽くせりである。
鍋ゴハン

野口農園さんのゴハンの上に乗せた揚げイナゴ。ゴハンと一緒に食べても旨い。
イナゴごはん

みんなで黙々と食べた。私が説明した「小エビの味」という表現に、私以外の二人も納得していた。橋本さんが「かき揚げにしてもおいしいかもしれない」と言った。ああ、そうか。そういう手もあるか。私は、調理方法を素揚げと佃煮の二つしか考えていなかった。本腰を入れて、そういう手の込んだ料理をしてみても良いかもしれない。それは、来年に向けての宿題としておこう。

当然ながら、食べればなくなる。イナゴはどんどん減っていった。
イナゴがなくなる

ああ、なくなってしまった。全部食べてしまった。
dsc_0211

食べ終わり、今年のイナゴは終わった、と心の中でつぶやいた。しかし、深い満足感があった。橋本さんもJさんも、イナゴを旨いと言った。それが嬉しかった。

イナゴを採ると楽しい。イナゴを味わうと幸せ。イナゴを褒められると嬉しくなる。私は今もまだ、イナゴのトリコであるようだ。

来年も私は、イナゴを食べるだろう。どんな形になるかは、わからないけれど。イナゴのかき揚げという宿題もできた。次の秋も、イナゴについての何かをやろう。

まあ、まだ急ぐことはない。またイナゴが現れる時期まで、どうせ1年待たなければならないのだ。のんびり考えることにしよう。また来年まで、さらばだ。

<2016年のイナゴ 完>


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